マンハッタン Manhattan レビュー

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デザイナー:Andreas Seyfarth
Artist:Ramon Mascarenas Zeilbeck & Natzeck Design Company

プレイヤー数:2 − 4(推奨プレイヤー数4)
発売年:1994
時間:45分
言語依存:なし
【個人評価】★★★★
(子供でも分かるシンプルなルール。相手の考えを読む力を要求される見事なゲーム)

受賞歴
1994 ドイツ年間ゲーム大賞 大賞
1994 ドイツゲーム賞 3位
1995 スウェーデン年間ゲーム ファミリー部門大賞
1995 フィンランド年間ゲーム大賞 ファミリー部門大賞

ゲーム概要


アンドレアス・ザイファルトが1994年に出した名作である。
25年以上も前のことではあるが、まずこのボードのデザインに対しての言い訳を聞いておきたい。マルペケみたいな土地が9つに、解像度を間違えたかのような世界のイメージドット絵。このボードをテーブルに広げた時の「トキメキ感」の薄いこと薄いこと。広げるたびに、これやるんですか?という無言の圧力を感じる。ちなみに女性には全くうけない。

94年といえば、もう日本ではプレイステーションが出た年でもあるから、昔だからしょうがないよね、ということでは片付けられない。このボードはファミコンレベルに留まっている。このらくだの絵だけでここが「カイロ」だと思え、というのはだいぶん無理がある。ボードはしくじった未来都市とでもいうべきか、どっちかというと治安の悪い地域のブルックリンというか、植物なんてぜんぜん生えてない住みたくない都心というか、そういう雰囲気のボードである。

ルールは非常にシンプル。まず各プレイヤーに自分の色の建物が配られる。色は4種類、高さが4種類あって、1階建て、2階建て、3階建て、4階建てとある。
基本的に高さを競うものなので、4階建てが必殺の一撃なのだが、数が3つと限られている。

全員自分の色を持ったら、まず6個好きに選択する。一人づつ見せながら、自分の前に置いていく。高い建物の数は限られており、一度置いてしまうともう使えないので、この最初の選別からして、早くも駆け引きが開始されているのだ。そして建設カードをシャッフルして同じ数だけ配る。これは完全に運。その建物カードにはマスにあわせて赤く色がぬってあって、ここと同じ場所に建物を建てることができる。左上なら、左上のマスに建てられる。ポイントは6つの地域の、どの地域に立ててもかまわないということと、誰も建物を建てていない空き地であれば無条件でビルコマ一つ建てることができる。



そして、ここからがこのゲームのオモシロさだ。もし誰かが建てていた場合でも、カードを持っていれば、その上に自分の建物を置いて良い。さらに条件として、そのビルで一番階数の多いプレイヤーと同じだけの階数、もしくはそれ以上にできるのであれば置いてよい。だから5階分以上他のプレイヤーより上回ると「独占」したこととなり、他のプレイヤーはもうそのビルにはビルコマを置けなくなる。



得点計算はそのラウンド(6個のビルパーツを全部使った時)終了時に発生するため、最後に一番上に立っているビルパーツの色のプレイヤーの得点になる。先に置いてしまうと、後から置かれるかもしれないどきどき感と、先に置かないと5階以上の差がついて置けなくなるというジレンマに悩まされることになる。置きたい場所のカードが廻ってこないときの悶絶ぶりと、持ってないカード持っているフリをするブラフトークに熱くなる。

全員、用意した建物コマを置き終えるとラウンドが終了、4人ならⅣラウンドで終了となる。得点計算はラウンドごとに発生し、地区で一番高いビルの一番上の人が2点、世界で一番高いビルの人が3点、各マスに建てている人は1点となる。4人プレイなら4ラウンドやってすべての建物を出し終えたら終了。総得点で勝敗が決まる。

場の状態を見ながら、後でおける後手が有利になりやすいので、下手の時に高いビルを用意するのが基本だが、ビルを散らし独占ビルを増やして先行逃げ切りでいくという作戦も成り立つ。そのあたりは他のプレイヤーとの絡みによるビルの配分だ。このビルの配分が相手に丸見えってのもオモシロさを高めている。あまりに巧みだときっとあなたは、名うてのビル使いと呼ばれるだろう。

自分の計画通りに建設、妨害、あるいは独占できた場合の爽快さは高く、むちゃくちゃ面白い。世界一ビルを所有する時の喜びはひとしおである。
さらに、目線で言葉で相手に無駄な階を立てさせて、その上に自分の建物を置くのは非常に快感を伴う。やられたらやり返したり、暗黙で同盟したりと、ある種のどつきあいゲームのようにもなりえて、そういう目には目をみたいな所が面白いので、2名だとぶつからないのであまり面白くない、必ず3名以上推奨である。

だからというか、なんというか、邪魔されるのが嫌いな人は絶対に受け付けないだろう。相手に攻撃されるのが嫌だという人は遠慮した方がよい、やられると、かなりむかつく。でも、だいたい常にTOPとその他3名という戦いの構図が発生し続け、プレイヤー同士で攻守交替みたいな流れになり個人的な恨み禍根は残さないと思う(たぶん)。よくできてる。

そういう名作であるが、難点をいえば、高層階を目指して建てていくと、非常に崩れやすい。ちょっとひじとか当たった場合は、ガンガラガッシャとあっさり崩壊する。畳上なんかではプレイはできないので、机やフローリングの床に置いてやること。ビルが木だったらもっといいという話もあるが、この階数をごまかすことのできる(わざとですよね、これ)色が薄くて見ずらい建物コマもわりと好きだったりする。

ゲームの完成度もオモシロさも素晴らしいので、最高評価としたかったが、このゲームをやっている最中に、どこかに行ってきたような感覚を持つことができないので星4つ。ここが俺のオフィスね!とか言っても、絵柄のせいで、テーマ性のないゲームをやっているような気持になってしまうので、あまり出番がない。




拡張その他


ゴジラルール ミニラルール

日本語ルール

playgame様 マンハッタン日本語ルール メビウス訳
マンハッタンルール和訳

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