大聖堂  The Pillars of the Earth

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デザイナー:Michael Rieneck Stefan Stadler
Artist:Michael Menzel Anke Pohl Thilo Rick

プレイヤー数:2 − 4(推奨プレイヤー数4)
発売年:2006
時間:45分
言語依存:ややあり(カードの内容が分かる必要がある)
【個人評価】★★★★
(美しいグラフィックとややこしく見せて、実はややこしくないルールが良い)

受賞歴

2007 ノルウェー年間ゲーム大賞 ファミリー部門大賞受賞
2007 ゴールデンギーク ベストアートワーク ノミネート
2007 ゴールデンギーク ファミリー部門 ノミネート
2007 ゴールデンギーク ゲーマーズ部門 ノミネート
2007 チェコ年間ゲーム大賞 ノミネート
2007 国際ゲーマーズ賞 ノミネート
2007 オランダゲーム賞 ノミネート
2007 ドイツ年間ゲーム大賞 推薦リスト
2007 ドイツゲーム大賞 大賞
2007 トリックトラック 銅賞
2007 フィンランド年間ゲーム大賞 ノミネート
2008 ルドテカ・イデア セレクション
2008 GAMES 100 ゲームオブザイヤー
2008 金のエース賞 ノミネート
ゲーム概要


堂々たるボード、ストーリー性。ボードゲームファンなら、夢見る理想のボードゲーム。大作ばかりを書くケン・フォレットの「大聖堂」が原作。全世界で2000万部の超ベストセラーのボードゲーム化だった。2011年にはNHKでドラマが放送されたので、日本で一般的にも知られているものと思われるが、内容を簡単に書くと、12世紀の中旬、史実を背景として、キングズブリッジという架空の町に建築される大聖堂を中心として展開される群像劇、歴史大河ものなので、それがどうボードゲームになったのかというと、こうなった。

ゲームは大聖堂の建設が始まって完成するまでを描いている。全部で6ラウンドあり、1ラウンド換算で数年が経過する、プレイヤーは棟梁に扮し、大聖堂を完成させるために、どれほど貢献できたかを競う。具体的には勝利の価値は「名誉」ということになる。大聖堂の木の駒は単なるラウンドカウント用という贅沢さ。

1ラウンドを簡単に説明すると、まずは労働者達を森や砂浜や岩石に派遣し資材を獲得する。自分のところには基本15人の労働者がいるので、彼らを派遣していく。好きなところに派遣できるわけではなく、手番順にカードを得て選択していく。砂集中作戦や石集中作戦などが展開されるが、資材には手に入りにくいウ○ンのような、青い金属もある。




獲得した資材は自分の所の職人に加工させて、名誉点に変換していく。この名誉点の数で勝敗を競う。
職人は後半になればなるほど、協力なパイプ職人とかアーティスティックな職人が出てくるのでどんどん取得してバージョンをアップしていかなければならない。



労働者の派遣がおわったら、次は訪問フェイズである。3人いる親方をボード上のアクションマスに派遣していくのだが、単に順番に置いていくのではなくて、少し工夫が凝らされている。ボードの下中央に半分の時計みたいなものがあり、ここで配置順を競うのである。まず、親方を全部黒い袋に入れて一番手の人がそこから一つづつ親方を取り出していく、一番最初に引かれた親方は左下の7金の箇所におかれる。
下の画像だと赤がそうだが、これは7金払えば好きなところに最初に置いていいという意味になる。もし7金払いたくなければパスを宣言し、また次の親方が袋から引かれ、今度は6金のところに置かれる。こんどは6金払えば、直ちに置いてよいということになる。この世界の金は、資材を取りにいかなかった職人を織物工場に配置するか、資材を売るという行為でしかほぼ手に入らないので、7も6も払ってられない。早く置きたいがお金を払いたくないというジレンマが生まれる。ちなみにゼロまで到達すれば後は0金で置いていける。何度かやったが7とか6とか払うプレイヤーはほとんどいなかった。ちなみに毎ラウンド税金をとられるので基本的に、全員恒常的に貧乏状態である。




親方の訪問先は10種類ほどある、イベントを先に知ることができたり、新たな職人をスカウトしたり、免税を依頼したり、市場で取引したり、司祭館を訪問できたりする。小説に出てくるキャラクターも登場し、資材追加1とか勝利点プラス1追加とか支援してくれるカードがある。なかなか協力なキャラもいるので、仲間にできると非常にゲーム展開が有利に運んでいく。個人的にはこのフィリップ司祭が強力。彼がいると司祭館を訪問するとプラス1名誉点になる。序盤は特に名誉点をほとんど獲得できないので、いきなり仲間にできるとロケットスタートが可能になる。




全員分の親方を配置しおえたら、ボード右上、まずは全体イベントから織物工業、キングスブリッジの村というふうに、ボードにそって時計周りに処理していく、この処理方法が実にエレガント。ボードはごちゃごちゃしてるし、細かいルールも多いが、この時計回りの処理という仕掛けが非常にシンプルで見通しがよくしている。簡単なゲームだという印象をもたらしてくれる。ごちゃごちゃした複雑なゲームならたぶん誰でも作れるが、そこにどうシンプルさを入れていくかということが一番難しい。それを実にうまくやっている。



世界観がしっかりしていて、特に1度目は、よくわからないまま終るはずだ。後からどんな職人が出てくるのかわからないから、資材の集め方も残し方もわからないし、市場を使う理由も不明でお金も全く余らないだろう。

しかし、この世界とルールに慣れて勝つことを前提にプレイしはじめると、突如としてこの世界に同じ目線で参加することができるようになる。世界の人々の呼吸を感じ取ることができるようになり、世界の中にいる感覚を覚える。親方の配置が本当に訪問しているようにみえるし、労働者は本当に作業をしている。オカルトぽいことを言うがそれぐらい集中できる要素があるゲームだ。原作があるとはいえ、ここまで入り込める世界観のあるボードゲームは他にはあまりない。

この雰囲気を大事にしようと日本語をやめて、愚かにも英語シールを張ったのは後悔した。ゲームのプレイアビリティが激減した。

ほかのプレイヤーを邪魔するほど余裕がなく、4人でないとバッティングがほとんど起こらない、大聖堂の工事に全然参加しなくても大聖堂が完成してしまうなど気になる点はあるにはある。特定の条件を満たさないと完成しなくて、全員負けみたいなルールがあればもっと面白いのにとも思うが、デザイナーがこれらに気づいてないわけがない。たぶんファミリー向けを意識した作りにして、そういうちゃぶ台返しや、厳しさみたいなのはやめといたんだろう。



拡張・その他


・大聖堂 拡張セット The Pillars of the Earth Expansion Set

→ 紹介メビウスゲームズ

日本語ルール

→ 日本語ルール大聖堂ルール

→ 拡張和訳 「ゾック協会」様 

→ 大聖堂 ボード用シール play games

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